浅本充さんがコーヒーを淹れているところ
2016.07.27

個性豊かなコーヒーを楽しむためのコーヒーガイド

サードウェーブコーヒーのムーブメントは、コーヒーの楽しみ方に変化をもたらしました。
産地や農園によっても、また焙煎や抽出方法でも味わいが異なってくるのがコーヒーの奥深さであり、楽しみのひとつ。作り手の顔が見える豆を厳選し、一杯ずつ丁寧に淹れてその持ち味を存分に楽しむ ── そんな新しいコーヒーの楽しみ方を実践するための基本を、浅本さんに教えていただきました。

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自分好みのお気に入りコーヒー豆を見つけよう
~ コーヒー豆を選ぶ楽しさとコツ

スーパーマーケットや大手コーヒーチェーン店から、小さくてこだわっているロースターまで様々な好みに合わせてくれるコーヒー豆が出回っています。しかも100g (7〜8杯程度) 位から買えるので,たくさんの種類を楽しむことも出来ますしロースターさんとの会話の中で、季節感やシュチュエーションに合わせて豆を使い分ける楽しさを知ることができると思います。
できるだけ、好みを伝えて通える様なコーヒーショップを見つけるといいですね。
例えば、気に入っているカフェのコーヒー豆を買って帰るとかもオススメです。
ついでに、バリスタさんにオススメの淹れ方なんかも聞いて試してみて、後日また会話を楽しみにいくのも、コーヒー豆を選ぶ楽しさの一つだと思います。

エスプレッソで楽しむ場合は、出来るだけ深煎りの豆でお気に位入りを探したり見つけたりするといいと思います。産地はブラジルやコロンビア辺りの中米辺りから試してみるのがオススメです。

Coffee beans

おすすめコーヒー豆

◆ 浅本さんのお気に入り: エチオピアのイルガチェフェ
フレッシュのストロベリーの様な雰囲気と、伸びのある爽やかな果実由来の酸味。透明感が続くアフターフレーバーの奥に見つける事の出来る芯のあるコーヒーのロースト香。
特にオーガニックの浅煎りを見つけて楽しんでほしいです。

◆ 浅本さん注目のコーヒー: パプアニューギニアやインドネシアの豆
最近の流行りの浅煎りのコーヒーに使う様な豆とは違う、とても野生的で個性的な風格を持っています。少し深煎りにして、たっぷりのミルクで飲むカフェオレやカフェラテにとても良くあいます。特に、パプアニューギニアの豆はロイヤルミルクティーの様にスパイスの効いた雰囲気で、ケーキやタルトなどのスイーツにとても相性がいいと思います。

コーヒー初心者におすすめの豆

◆ 少し濃い目のコーヒーが好きな方に
ブラジルやニカラグア、コロンビアの深煎りをエスプレッソや、ゆっくりとハンドドリップをペーパーフィルターで。

◆ 爽やかな酸味が好きな方に
エチオピアやケニアの浅煎りをフレンチプレスなどで

挽きたての豆を使おう
コーヒー豆は意外に繊細。挽き立てでこそ香りと味わいが愉しめる

コーヒー豆は意外ととても繊細で、温度や湿度で劣化する速度が変わります。
特に挽いてある豆は、酸化による風味と味の劣化が早いので、すぐに飲んでしまう場合は便利でオススメですができるだけ、その都度挽いて香りや味わいを楽しんでもらいたいです。

コーヒー抽出温度の基本

コーヒーを淹れる温度は選ぶ豆によって様々ですが、基本的な温度を覚えて好みで調節していくともっとコーヒーが楽しめます。

  • 深煎り 80℃前後
  • 中煎り 85℃前後
  • 浅煎り 90℃前後

意外と重要?!コーヒーのおいしさと“蒸らし”の関係

蒸らし時間は、コーヒー豆の美味しさを引き出す準備だと捉えてください。
砕いたコーヒー豆の芯まで水分を染み込ませ、美味しさを引き出すことによって豆の持つ全ての個性を楽しめます。短すぎると中心まで水分は届かず、長すぎると雑味の原因になります。
基本的な豆の挽きと蒸らしの時間の関係はあるので、あとは好みに合わせて毎回測って好みを見つけることが楽しさだと思います。

Coffee

コーヒーの焙煎度ごとのおすすめ抽出設定
豆の種類、焙煎度合、挽きの粗さ・細かさ、蒸らし時間を調節してコーヒー豆の個性を引きだそう

  • 深煎りは味に深みや奥行きが出て、ある程度安価でも美味しく感じられる豆が多いです。
    その分、余計や雑味も出てしまうので粗挽きにしてペーパードリップにして、たっぷり蒸らし時間(60秒程度)をとって低めの温度で抽出が適しています。ミルクとの相性がいいので、カフェオレなどにも。
  • 中煎りは一般的なコーヒーのバランスの良い味わいが楽しめます。中挽きにして、85度前後の温度で蒸らし時間などを調整(40秒程度)しながら好みの味を探して楽しめます。
    コーヒーメーカーなどでも美味しくドリップできるので、入門編としてとてもオススメです。
  • 浅煎りは、コーヒー豆が果実だと教えてくれるほど、フレッシュで爽やかな雰囲気です。
    中挽きか、少しだけ細挽きにして高めの温度で豆全体の美味しさを引き出してあげるといいです。蒸らし時間は(30秒程度)を目安に。
    フレンチプレスが簡単に美味しく淹れられるので、紅茶感覚で楽しんで欲しいです。フレンチプレスの場合は浅煎りコーヒー豆でも粗挽きで。
コーヒー豆 深煎り 中煎り 浅煎り
味わい 深み、奥行きが出て、
ある程度安価な豆でも
おいしく感じられる。
ミルクとの相性がいい
バランスの良い味わい
が楽しめる
コーヒー豆が果実だと
教えてくれるほどフレッシュで
爽やかな味わい
◆ おすすめの抽出設定
挽き具合 粗挽き 中挽き 中挽きか、少しだけ細挽き
基本の抽出温度 80℃前後 85℃前後 90℃前後
蒸らし長さ 長め(60秒程度)

40秒程度

30秒程度
抽出方法 ペーパードリップ コーヒーメーカー ペーパードリップ

コーヒー豆の個性に合わせて抽出条件のカスタマイズが可能なエスプレッソマシンが登場。
ミーレ全自動エスプレッソマシン CVA 6800

ミーレ全自動エスプレッソマシン CVA 6800

お気に入りのカフェで見つけたおいしいコーヒー豆を買ってきて、自宅のエスプレッソマシンで淹れてみたら、お店の味と違っていた… ── そんな経験はないでしょうか。
「これは、お水が悪いわけでも、抽出方法が悪いわけでもありません。お使いのエスプレッソマシンの設定が、エスプレッソ用深煎り豆を基準に設定されてしまっているから」と浅本さん。

様々な個性のコーヒーをおいしく味わうには、個性に合わせて抽出設定することが大切です。
2016年7月にミーレから発売された全自動コーヒーマシン CVA 6800 は、エスプレッソマシンでありながら、豆の量や挽き具合、蒸らし時間、抽出温度、抽出量といった抽出条件を細かくカスタマイズすることが可能です。

浅本さんに CVA 6800 の実際の使い勝手とエスプレッソ抽出をカスタマイズする楽しみについて伺いました。

浅本さん

難しい設定がなく、手軽に抽出条件を変更できる

◆ 挽きの粗さ (5段階) 調節可能なグラインダー内蔵

一般的にはグラインダーは別で、設定して、豆を挽いて…と少々面倒です。その点、CVA 6800はグラインダー内蔵で、ワンタッチで豆挽きから抽出まで全自動の上、好きな粗さに簡単に調節可能です。とても手軽ですね。
ダークローストでしっかり味が濃いコーヒーは「粗め」で挽くとおいしく仕上がります。最近流行の浅煎り豆なら、少し「細め」に挽くといい。その時々の気分で調節してみるといいですね。

◆ 抽出温度設定 (5段階)  

深煎りのコーヒー豆の場合、抽出温度が高いと雑味まで抽出してしまいます。少し低めの温度で抽出すれば雑味のないまろやかでおいしいエスプレッソになります。浅煎りなら、少し高めにするとおいしい部分をすべて抽出することができます。逆に、低めの温度だとしっかり抽出できず薄っぺらい味になってしまう。
抽出温度が変えられると、好みの豆に合わせられていいですね。

◆ 蒸らし時間設定 (長い/短い/オフ)

一般的なエスプレッソマシンでは蒸らし時間の長さを設定できることはなく、その点で CVA 6800 はとてもユニークですね。
コーヒーの抽出において”蒸らし”はとても重要です。例えば、粗めに挽いたコーヒーなら蒸らし時間は長めに、蒸らし時間が少ないと芯まで届かずコーヒーのおいしさの全体を抽出することができません。細引きなら蒸らしは短めに。コーヒーやコーヒーロングだけでなくエスプレッソ抽出でも、蒸らし設定を変えることで味わいに変化が出てきます。

CVA6800 タッチパネルで直感操作

随所に施された「おいしく抽出するための機能」が印象的

◆ 自動洗浄

CVA 6800 は、電源を入れると自動洗浄してくれる。
エスプレッソマシンの場合、前回使った時の古い水やコーヒーの粉、ミルク分が内部に残っていたりします。おいしいコーヒーを淹れるには、きれいな状態で淹れることが大切です。
CVA 6800 の場合、面倒な洗浄を自動で判断して実行してくれる。ここが重要なポイントです。

◆ オートカップセンサー

タッチパネルからワンタッチで抽出を開始すると、まず、使用するカップの高さに合わせて、抽出口が自動で高さ調節し、カップの上縁ぎりぎりまで降りてきます。
これにより抽出されたエスプレッソがはねて酸化したり、周囲に飛び散らない。高い位置からバチャバチャと抽出してしまうと、味が損なわれますし、きれいなクレマもできません。


CVA 6800 オートカップセンサー

◆ ウォームアップ

抽出を開始するとウォームアップと表示される。設定したおいしい温度までしっかり上げてくれている。これがとても重要です。
一般的なエスプレッソマシンではこのような機能がないため、ぬるいまま出てきてしまうこともあり、おいしいエスプレッソになりません。ミルクも同じです。冷たい状態からクリーミーな泡を作るためにきっちりと温めてから落としてくれます。

バリスタの技術を要する“豆の個性に合わせた設定”がカンタン


今、浅煎りのフレッシュでフルーティーなコーヒーが流行っていますが、通常は深煎り豆用のセッティングになっているエスプレッソマシンがほとんど。
CVA 6800 なら、浅煎り用に挽き方を少し細めに、抽出温度を高めにしてあげることで浅煎り豆のおいしいところがすごくきれいに出てくる。逆に、買ってきた深煎り豆が、すごく苦い、すごく蘞味がするということがあると思うんですが、そういう場合にも挽き方を少し粗くして、しっかり蒸らし時間をとって、少し低めの温度で落としてあげるようにするといい。
こういった、コーヒー豆の個性に合わせた抽出設定の微調整は、本来バリスタの経験と技術によってもたらされるものです。しかし、CVA 6800 なら簡単にできるので、色んな個性を持ったコーヒーにチャレンジする楽しみが広がります。

CVA 6800 OneTouch for Two

豆を選んで、自分好みの味わいを探す ──
CVA 6800 なら、新しいエスプレッソの楽しみ方ができる

バリスタのプロの間でも、エスプレッソの蒸らし時間の調整は至難の技です。
なぜならエスプレッソ抽出中はフィルター内が見えないので、きちんとした解明がなされておらず、永遠の疑問となってきていました。でも、最近は少しずつ解明され始めたのが現実です。
CVA 6800 で蒸らし時間を調節しながら淹れてみたところ、同じ豆でも蒸らしを変えることによって少し雰囲気の違うエスプレッソが楽しめた気がします。
事細かで難しいのではなく、手の届く気の利いた設定に親近感と使いやすさを感じました。
手軽にカスタマイズ出来る事で、様々なシュチュエーションにアプローチ出来る楽しさ
それにつきるのではないでしょうか。

≪ 浅本さんに聞く 『いつもの時間がもっと豊かになるコーヒーの楽しみ方』 へ

浅本充さん

浅本 充 (あさもと まこと)

浅本 充 (あさもと まこと)

「ブラスリーベルナール」「adding:blue」「レスプリミタニ」でのサーヴィスとソムリエ、マネージャーを10年間経験後、BROOKLYNに渡米。2009年株式会社ユニテを設立。同年に人気のカフェ「自由が丘ベイクショップ*」をディレクション。コーヒーの造詣も深く、その楽しみ方のセンスには定評がある。コーヒーのみならずライフスタイルの提案と、新しいフードトレンドや、世界のオーガニック事情の知識も深い。現在は、様々な企業の飲食部門やライフスタイルのコンサルティングに参加。
* 現在は閉店

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