洗濯表示(マーク)の基礎知識
そもそも洗濯表示(マーク)とは?
衣類のタグに表示されている、洗濯表示(マーク)の数々。そこには、おうちまたはクリーニングどちらが良いか、どれくらいの温度で洗い、漂白剤やアイロンの仕方はどうすればいいのか等、その衣服を最適に洗うための重要な情報がたっぷりと詰まっています。
知らないマークがずらっと並んでいて、難しいと感じるかもしれませんが、ポイントさえおさえれば読み解き方はとても簡単。大切な衣類をケアしながら、長く愛用するために、まずは基礎知識を覚えておきましょう。
まず覚えたい5つの基本記号
洗濯表示は、5つのマークが基本。まずはこれを覚えておきましょう。マークは左から【洗濯→漂白→乾燥→アイロン→クリーニング】と、洗濯の手順で表示されています。
最初の洗濯おけマークの「洗濯処理記号」は、家で洗濯できるかを示すもの。三角マークの「漂白処理記号」は、漂白についての記載。そして四角マークの「乾燥処理記号」からは、乾燥処理の方法がわかります。アイロンマークの「アイロン仕上げ処理記号」は、アイロン使用の可否や温度上限が判断でき、最後の丸マークの「商業クリーニング処理記号」は、クリーニングについての情報が表示されています。ただし、これはクリーニング店が見るべき表示なので、おうちでの洗濯の時にはあまり気にしなくてOKです。
付加記号や数字の意味
5つのマークの意味がわかったら、次にそれに対応する付加記号や数字の意味をおさえましょう。おうちでの洗濯で、特に覚えておきたい「洗濯処理記号」「乾燥処理記号(タンブル乾燥)」「アイロン仕上げ記号」について解説します。
洗濯処理記号
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洗濯おけの中の数字は、水温の上限を表しています。例えば「40」とある場合は、水温40℃までの洗濯が適切という意味合いになります。「30」〜「95」 ℃までの表示があります。
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洗濯おけマークの下にある下線「―」は、洗濯するときの力の加減を示します。線なし、1本線「―」、2本線「=」線とありますが、数が増えるほど、弱く優しい力で洗う必要があります。
手洗いマーク
洗濯おけに手を入れているマークは、水温40℃までの手洗いが可能、という表示。絞ったりこすり洗いをしないよう優しく洗い上げる必要があります。ミーレ洗濯機ではウールが含まれる素材であれば「ウール」プログラムを選択し、それ以外は「シルク」プログラムで洗うことをおすすめします。
漂白記号
酸素系または塩素系漂白剤を使うことが可能かを表示。シンプルな三角マークは、どちらの漂白剤も使えることを示していて、三角内に2本の斜線があるものは、酸素系漂白剤は使用可能、塩素系漂白剤は使用不可であることを表します。なお、ミーレのカートリッジ式洗剤「UltraPhase」は、どちらのマークの場合も使うことができますが、三角にバツ印がついている場合は使用できません。
乾燥処理記号
衣類乾燥機を使用する際の排気温度を示しています。点が1つの場合は60℃まで、点が2つの場合は80℃までのタンブル乾燥処理が可能であることを意味します。
完全に乾く前に乾燥機を止めることで、あえて水分を少し残して生地の重みを使ってシワを伸ばすのも洗濯テクニックのひとつ。ミーレの乾燥機は、残留水分を検知し乾燥レベルを7*つから選ぶことができるので、乾燥具合を確かめながら止めたり再び乾燥させたりする手間がかからず、最適な乾燥レベルに調節できます。
左から「つり干しが良い」「ぬれつり干しが良い(脱水せずに干す)」「平干しが良い」「ぬれ平干しが良い(脱水せずに干す)」を表します。左上に斜線が入っているものは、それぞれの干し方に加えて日陰干しが良いことを示しています。
ミーレの洗濯機は、素材に合わせて脱水回転数を0(=脱水なし)から1200rpm(※プログラムにより変動)まで細やかに設定できるので、水分を少し振り飛ばしてから自然乾燥させることもできます。
アイロン仕上げ処理記号
アイロンを使用する際の温度を示しています。点が1つの場合は、低温(110℃まで)、点が2つの場合は中温(150℃まで)、点が3つの場合は高温(200℃まで)のアイロン仕上げが可能であることを意味します。
禁止を意味するマーク
基本のマークにバツ印がついたものは、禁止の意味。「家庭での洗濯・乾燥・アイロンは禁止」を表すため、基本的にはおうち洗いは不可、となります。無理やり洗ってしまうと、生地が縮んでしまったり、傷めてしまうことも。
特に気を付けたいのは縮みやすいウールやリネン、カシミヤ、レーヨン、シミになりやすい麻やシルク、シワになりやすいキュプラやレーヨン、アセテートなど。これらの素材・繊維が混ざった素材の取り扱いには、衣類のタグをしっかり確認し、十分注意をしてください。
付記記号を理解するコツは?
アイロンやタンブル乾燥マークの中にある温度を表す「・」は、数が増えるほど高く設定できます。一方で、覚えにくいのが洗濯おけマークの下にある「―」。こちらは線の数が増えるほど洗う力加減を弱める必要があります。「・は増えるほど高く、―は増えるほど弱くなる」と覚えましょう。線は「―」はマイナスマークと捉えると、マイナスの数が増えるほど弱くなるとイメージしやすいかもしれません。
衣類タグの読み方
基本知識を学んだら、実践編へ。実際に衣類のタグを読み解いていきましょう。
衣類のタグには、サイズのほかに主に3つの情報が記載されています。
上の衣類タグのケースをご紹介します。
- 素材の表示
- 洗濯表示
- 付記用語
付記用語は、「あて布使用」「洗濯ネット使用」など、洗濯表示では伝えきれない情報が記されています。全て重要な情報ですので、洗濯表示とあわせて確認してください。さて、洗濯表示を左上からチェックしていきましょう。
洗濯処理記号
40℃までの水温で、おけの下に2本線があるため、標準よりも優しいプログラム(『デリケートプログラム』など)で洗う必要があります。
漂白処理記号/タンブル乾燥記号
×マークがついているため、どちらも禁止となります。
自然乾燥記号
「平干し」に斜線入りのため、日陰干しの平干しが良い、とい意味を表します。
アイロン処理記号
点が2つあるので、中温(150℃まで)のアイロン仕上げが可能であることを意味します。
いかがでしたでしょうか?タグにある記号(マーク)をひとつずつ確認すれば、衣類や素材に最適なお洗濯方法やケアが見えてくるはず。
ミーレの洗濯機には衣類や素材に応じたプログラムが用意されていますが、衣類のタグも確認すると、より適切で衣類に優しいケアができるでしょう。
洗濯表示別 ミーレドラム式洗濯機での洗い方
洗濯表示をチェックしながら、自宅で衣類や素材に合わせた最適なお洗濯を。
素材や、洗濯表示別に、ぜひご活用いただきたい、ミーレ洗濯機・洗濯乾燥機のプログラムをご紹介します。
コットン素材のシャツやワンピースは『シャツ』プログラムで
洗濯表示例
洗濯処理記号・おけの下に1〜2本線
衣類例
ワイシャツ、綿素材のブラウスやワンピースなど。
推奨プログラムと設定
プログラム:『シャツ』プログラム綿100%や綿混紡など綿素材に対応し、しわになりくいプログラムです。洗濯・乾燥後のアイロンがけが、ぐっとラクになります。
水温:水〜60℃ ※衣類の取り扱い表示タグや、素材、汚れの種類などに従って、水温を選択してください。乾燥レベル:ノーマルプラス(プログラム終了後にそのまま着用したい場合)、 ノーマル、ハンドアイロン(アイロンがけを行う場合)、ほか複数の乾燥レベル*からご希望に合わせて選択します。
*機種およびプログラムにより選択可能な乾燥レベルの種類は異なります。 ※衣類の取り扱い表示タグでタンブル乾燥記号を確認してください。レーヨンをはじめ合成繊維は『デリケート』プログラムにおまかせ
洗濯表示例
洗濯処理記号・おけの下に2本線
衣類例
レーヨンのブラウスやワンピースなどのデリケートな素材の衣類など。
推奨プログラムと設定
プログラム:『デリケート』プログラムデリケートな素材の型崩れを防ぎながら、優しく洗い上げます。
水温:水〜60℃ ※衣類の取り扱い表示タグや、素材、汚れの種類などに従って、水温を選択してください。乾燥レベル:ノーマルプラス(プログラム終了後にそのまま着用したい場合)、 ノーマル、ハンドアイロン(アイロンがけを行う場合)、ほか複数の乾燥レベル*からご希望に合わせて選択します。
*機種およびプログラムにより選択可能な乾燥レベルの種類は異なります。 ※衣類の取り扱い表示タグでタンブル乾燥記号を確認してください。推奨するミーレ純正洗剤
デリケートな素材のお洗濯には「ウールケア」または、「カプセル式洗剤ウールケア」を推奨。光沢剤や漂白剤を含まず、小麦プロテインが衣類を優しくいたわりながら洗い上げます。繊維保護成分で衣類のもつれを最小限に抑制します。
ウール・毛混紡素材などのお洗濯には『ウール』プログラムを
洗濯表示例
手洗いマーク・おけの下に1〜2本線
40℃まで
衣類例
ウール100%や毛混紡素材のセーターやストールなどのニット小物など。
※洗濯機または手洗い可能なもの。表示ラベルに温度指定がない場合、水設定で洗濯してください。推奨プログラムと設定
プログラム:『ウール』プログラム手洗いに適した洗濯リズムで優しく洗い上げます。
水温:水〜40℃ ※衣類の取り扱い表示タグや、素材、汚れの種類などに従って、水温を選択してください。 乾燥レベル:3分のみ乾燥衣類のダメージを最小限に抑えるため、空気を入れるだけで、完全には乾燥させません。プログラムが終了したらすぐに衣類を取り出してください。
推奨するミーレ純正洗剤
ウール衣類用の液体洗剤「ウールケア」または、「カプセル式洗剤ウールケア」を推奨。光沢剤や漂白剤を含まず、小麦プロテインが衣類を優しくいたわりながら洗い上げます。繊維保護成分で衣類のもつれを最小限に抑制します。
ニットは平干しで伸びや型崩れを防ぐ
ニットを洗濯機から出した後は、手で形を整えてから自然乾燥を。湿った状態でハンガーにかけると重みで伸びてしまうため、平干し台に置いて乾燥させましょう。
清潔に保ちたいタオルやリネンなどは『コットン』プログラムを活用
洗濯表示例
洗濯処理記号・ おけの下に下線なし 30〜95℃設定
衣類例
タオル、ベッドリネン、綿100%のTシャツや靴下など。
推奨プログラムと設定
プログラム:『コットン』プログラム最大90℃の設定ができ、生地の奥に潜む細菌やウィルス、ニオイまでアプローチし、より清潔に保ちます。肌に直接触れるタオルやシーツなどへの活用がおすすめ。
水温:水〜90℃ ※衣類の取り扱い表示タグや素材、汚れの種類に従って水温を選択してください。 乾燥レベル:ノーマル、ノーマルプラス、ハンドアイロンのいずれか ※追加の処理を必要とするコットンまたは麻の生地 (例: テーブルクロス、ベッドリネン、糊付けした衣類など)の乾燥レベルは、ハンドアイロンを推奨します。ミーレ洗濯機で洗える多様な素材・衣類
ミーレなら、今まではおうちでの洗濯が難しいと思われていた特殊な素材にも対応。
おうちクリーニングの幅が広がります。
スポーツウェア
*一部モデルには非搭載ですジャージーやスウェット、レギンスなどトレーニングなどの際に着用するスポーツウェア。汗をかくシーンで使われることを想定し、吸湿速乾性や伸縮性などの機能があり、ポリエステルやポリウレタン、ナイロンなどの素材が多く使われています。
推奨プログラムと設定
「スポーツウェア」プログラム特殊な生地が使われているスポーツウェアの多くは、弱い力や優しい水流で洗うことが推奨されています。ミーレの「スポーツウェア」プログラムは優しい洗濯リズムで洗い上げるので安心。脱水回転数も調整できるので、800-900rpm程度かそれ以下の低めの設定がおすすめです。
※ウェアについているタグも確認し、表示に沿ったお洗濯をしてください。洗い方のコツ
「スポーツウェア」プログラムスポーツウェアの洗い方にはいくつかポイントがありますが、中でも柔軟材を使わないことはとても重要。柔軟剤によって繊維の目が詰まり、生地の通気性などの性能が損なわれてしまいます。
また、繊維をコーティングする柔軟剤は残留しやすく、イヤなニオイを引き起こすことも。
洗うまでは吊るして乾かす
汗で濡れたウェアをそのまま放置するのはNG。ニオイの原因となるモラクセラ菌やカビが発生、繁殖してしまいます。スポーツウェアによく使われている合成繊維はニオイがつきやすいもの。すぐに洗えない場合は、吊るして乾かしておきましょう。また、菌はウェアの内側に付着しやすいので、洗濯機に入れる際は裏返しにして洗うこともポイント。
カーテン
*一部モデルには非搭載ですカーテンにはニオイや埃、花粉やカビが付着しているため、定期的なお手入れがおすすめ。清潔感を保つためにも、半年から1年に1回の洗濯をおすすめします。
推奨プログラムと設定
「カーテン」プログラムカーテンについているフックやおもりを外して洗濯します。
オプションで「予備洗い」を選ぶと、<すすぎ→本洗い>に入る前に、洗いの工程が1回プラスされ、より効果的に汚れを落とすことができます。また、脱水回転数は600rpmまたはそれ以下の低めに設定することを推奨します。
洗い方のコツ
高級素材や繊細なデザインなどのカーテンは自宅で洗えないことも多いため、カーテンの上下などについているタグは要チェック。洗濯おけマークにバツ印が付いているマークがないか、必ず確認してください。
自宅で洗えるカーテンは、かなり汚れている場合はまず付け置き洗いをし、先に埃や大きな汚れを落とすと良いでしょう。
アウターウェア/アウトドア
*一部モデルには非搭載ですレインウェアや登山やスキーウェア等防水や防寒、防風を目的にしたアウター。GORE-TEX®をはじめ「メンブレン」と呼ばれる防水透湿フィルムを表地と裏地の間に挟み、2.5~3層の構造を持つ高機能なハードシェルジャケットはその代表格。防水透湿メンブレンを挟むことで水滴の侵入は防ぎながらも、衣類の湿気は外に逃がすという優れた防水透湿機能を発揮しますが、機能性を維持するにはお洗濯によるお手入れが大切です。
推奨プログラムと設定
「アウターウェア」プログラムデリケートな洗濯リズムが特徴で、撥水や防水性能を阻害せずに洗うことができます。また、標準すすぎ回数も3回と多くなっているため、汚れや洗剤のかすを残さずに洗うことができます。脱水は、最低回転数の400rpmまで下げること、もしくは脱水は行わないのが安心です。
※ウェアについているタグも確認し、表示に沿ったお洗濯をしてください。洗い方のコツ
アウターウェアは洗濯すると機能が劣化すると思い、あまり洗濯しない人が多いかもしれませんが、これは勘違い。皮脂や泥汚れを落とさずにいると逆に防水機能は落ちてしまいます。アウターウェアといっても様々な種類があるので必ず洗濯表示に従い、洗濯機の使用がOKであれば一度着用したらそのたびに自宅で洗濯をすることが長持ちさせるコツです。
柔軟剤や香りの成分が残ってしまうと衣類の機能に悪影響のため、漂白剤や柔軟剤、しみ抜き剤の使用は避けて、しっかりとすすぐことが重要です。また生地の性能を失ってしまうおそれがあるので、洗い終わった後は強く絞らないよう注意してください。
プラスのお手入れ
着用し続けているとどうしても撥水機能の低下が起きてしまいますが、そんなときは熱処理をすると撥水加工の撥水性が復活。熱処理は意外と簡単。乾いた衣類に洗濯乾燥機・衣類乾燥機の「温風プログラム」を使用して20分間温風を当ててください。もしくは、低温・スチームなしの設定で、当て布をしてアイロンをかけてください。
- ※衣類乾燥機は、タンブル乾燥が可能な素材のみに使用してください。
- ※これらは洗濯のたびに毎回行う必要はありません。