インタビュー:小嶋ルミ さん
オーブン・ミトン オーナーパティシエ
インタビュー:小嶋ルミ さん
オーブン・ミトン オーナーパティシエ
1987年に東京・小金井市にケーキ店「オーブン・ミトン」をオープン。女性シェフパティシエの草分け的存在で、「食材の自然な味わいこそが、お菓子のおいしさ」を信念に、独自に開発した「手わざ」を駆使し、ケーキや焼き菓子で最上の味わいを自然素材から作り出している。お菓子教室も主宰し、日本各地はもとより海外からもリピーターが通い詰める。ミーレ オーブンは15年以上愛用。
ミーレ製品を初めて使ったのはいつ、何がきっかけでしたか?
料理家の知人とのご縁で、ミーレ オーブンのイベントに参加したのが最初です。その後、お菓子教室をリニューアルしたのですが、建築家があらかじめ採用していたドイツ製キッチンに、ミーレの食器洗い機が導入されていました。約25年前です。はじめオーブンは別の海外メーカー、国内のビルトインガスオーブンを使っていましたが故障も多く困っていました。15年前ミーレのオーブンに変えたところ故障もせず作業性が抜群に増し助かっています。
これまでオーブンをはじめ、いくつものミーレ製品をご利用いただいたとのこと。現在はどんな製品をお使いですか?
現在、「オーブン・ミトン」では、オーブンが3台と掃除機、食器洗い機を、自宅でも食器洗い機を使用しています。ミーレのオーブンは家庭用として製造されたものですが、業務用と遜色がありません*1。毎日2~3台をフル活用し、お店で出すケーキや焼き菓子をつくっていますが、頼りになる働きをしてくれています。
またお菓子教室でも大活躍。生徒さん8人それぞれ1台ずつ作るのですが、15センチ丸型ですと8台1度にオーブン1台に入ります。庫内が広いからこそできる技ですね。
自宅にミーレの食器洗い機を入れたのは3年ほど前なのですが、まな板がものすごくきれいになって感激しました。それまでの手洗いでは、なかなか落ちなかったシミが、一度の洗浄ですっかりきれいになって。家庭でももっと早く導入すればよかったと思ったくらいです(笑)。
ミーレのオーブンで初めてつくったお菓子は何ですか?
フィナンシェです。約15年前の当時、「ミーレのオーブンは気密性が高く、庫内の温度が下がりにくいので、火を止めた後の余熱でも焼ける」と、評判になっていました。試してみたら、本当にその通りでしたね。焼き上がりの目安時間の5分ほど前にスイッチを切っても扉を開けなければ、余熱でじゅうぶん火が通るんです。焼き上がりも美しく、感激したのを覚えています。
お菓子づくりにおいて、庫内の温度が下がりづらいというのはとても大事なこと。焼き具合を確かめるために途中で扉を開けることもあるのですが、他のメーカーのオーブンだと、温度がけっこう下がってしまい、元の温度に戻るまで時間がかかってしまいます。とくに電気オーブンは、ガスオーブンに比べて温度が上がるのに時間がかかると言われますが、ミーレは、立ち上がりが早いですし、急速加熱という機能も付いているので、ストレスを感じたことはありません。
オーブンって、冷えた鉄板を入れただけで、庫内の温度が下がってしまうんですよ。なので、予熱の温度は、180度で焼きたい場合は200度にするなど、実際の温度より20度ほど高く設定するのですが、ミーレ オーブンなら10度で大丈夫。その分、予熱時間もかからないので、忙しい時は助かりますし、省エネにもなるのでありがたいですね。
良く使うプログラムを教えてください。
機種によってさまざまな機能がついていますが、私がお菓子づくりで使っているのはコンベクション機能(ミーレのオーブンでは「熱風加熱プラス」)、これ一択と言っても過言ではありません。他のメーカーからも家庭用コンベクションオーブンは出ていますが、熱風が斜め上からしか出ないとか、鉄板を上の段に入れないといけないとか下の段でないとダメといった制約がある機種が少なくありません。
対してミーレのオーブンは、ファンで熱風を庫内全体にまんべんなく行き渡らせるタイプ。だから、上の段と下の段、どこに鉄板を入れても、焼きむらがほとんどできず、理想的な焼き上がりになります。当たり前に思われるかもしれませんが、実はこれ、すごいことなんですよ。ほとんどのオーブンは、熱風の出方に偏りがあるため、調理の途中で鉄板の手前と奥を入れ替えないといけませんが、ミーレはその必要もありませんしね。手間がかからず、きれいに焼きあがるので、お菓子づくりには最適だと思います。
良く使う温度帯はありますか?
お菓子づくりの場合、160~180度が多いですね。ただ、レシピに「180度で15分」のように記載されていても、その時間通りに焼けないこともしばしばあります。焼き色が薄いようであれば、調理時間を追加して、ほど良い焼き色になったものを一つずつオーブンから出してください。先ほども申し上げたように、ミーレは途中で扉を開いても温度がさほど下がりませんし、元の温度に戻る時間も早いので、追加加熱が手軽にできます。
ミーレ オーブンと、それまで使用されていたオーブンを含め他メーカーとの違いはどんなところにあるのでしょうか?
なんといっても、頑丈で、壊れにくいところです。ミーレの前は、別の国内メーカーのガスオーブンを使っていたのですが、購入して2年でドアが壊れてしまったり、焼き上がりにムラが出てきたりと、故障するのが気になっていました。その点、ミーレはほとんど故障がありません。15年ほど前に購入した初代のミーレオーブンも、まったく壊れないので、ミトンスタッフが独立する際、お祝いに差し上げたくらいです。今も、彼女のお店で元気に活躍しているようですよ。
また、上下のヒーターを同時に使用する「上下加熱」だけでなく、上部ヒーターだけを使用する「グリル」と下部ヒーターだけを使用する「下部加熱」など、メニューに合わせて、火入れを変えられるのも魅力です。こうした機能を持つオーブンは珍しいと思います。グラスアロー(砂糖衣)で仕上げるウィークエンドは、表面に焦げ目をつけたい時は、「グリル」を使用していますが、いい感じで仕上がりますよ。バスクチーズを焼くとき、焦げ目が足りないときはグリルを少々使います。
また、温度設定が5度刻みなので、細かい焼成調節が出来るのも他の家庭用のものと比べて利点です。
お菓子づくりは比較的庫内が汚れませんし、ミーレは汚れがつきにくいパーフェクトクリーン加工が施されているので、ふだんは余熱があるうちにさっと拭くだけなので、お手入れが楽なのも魅力だと思います 。
そのほか、Mieleオーブンで気に入っている点やおすすめポイントはありますか?
頑丈で、機能性が高いことに加え、大容量なのも、ミーレを選んだ理由のひとつ。お店に出すお菓子を焼くので、一度にたくさん焼けるのは、オーブン選びの必須条件でしたから。外観はコンパクトなのに庫内が広く、大きい天板が5枚入ります。業務用オーブンではこの天板数をこなすには、かなり大きいものになり設置場所を取ります。狭いキッチンなどに置くのには、大変助かります。
また、スタイリッシュなデザインにも惹かれています。デザインが素敵だと、お料理をする気がわきますよね。(お菓子教室の)生徒さんにも好評で、みなさん憧れていらっしゃいます。実際、「本格的にお菓子づくりをしたい」と、ミーレのオーブンに買い替える方も少なくありません。
中国でお菓子教室を開くこともあるのですが、レッスンを行う会場には、ミーレのオーブンが何台も備えられています。中国の方々にとっても、ミーレのオーブンは定評がありますし、憧れのブランドのようです。
ミーレ オーブンを使ってつくる簡単&失敗ナシのお菓子、最近お気に入りのお菓子を教えてください。
今の季節なら、リンゴのコンポートですね。一般的には、コンポートはお鍋でグツグツ煮るのですが、となると、火の傍らについていないといけません。その点オーブンなら、皮をむいてカットしたリンゴを天板に並べ、お砂糖を振って加熱するだけ。リンゴの種類にもよりますが、紅玉であれば、180度で20分ほど加熱すれば、簡単に、おいしいコンポートができます。天板を2枚使えば、同時に4キロほどのリンゴのコンポートが完成しますよ。
ほかに、リンゴのクランブルもおすすめです。
先生にとって、ミーレ オーブンとはどんな存在でしょうか?
安心できるパートナーですね。「オーブン・ミトン」では、さまざまな種類のケーキや焼き菓子、クッキーなどを販売しています。厨房には業務用のもっと大きいコンベクションオーブンがあり、一度に焼く物はそちらを使っています。でも、毎日朝焼くタルトやスコーン、ロールケーキ生地は、ミーレ。ひとくちサイズのクッキーのような、火入れに気を遣うお菓子などもミーレで焼いています。焼き菓子も焼きダメ(作り置き)するのではなく、焼きたての新鮮なものをお客様に提供できるよう小仕込みをし、売り切れそうになったら焼いています。ほぼ同種類を毎日焼いていますね。それが出来るのもミーレのおかげです。ミーレは、焼成という作業、天板の出し入れなど細かい作業が女性でも楽にできるから、日々の作業が苦になりません。これから小さいお店を回転される方、注文販売などされている方、お菓子教室を開かれる方には最適ではないでしょうか*1。お勧めします。
私は、ひとつひとつ、ていねいに、材料も時間も手間も惜しむことなく、理想の味を目指したい。それは、家庭でも、お店でも同じです。それを実現するには、ミーレのオーブンがちょうどいいんです。これからも、長く、良いおつきあいをしていきたいと思っています。