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カジュアルなコーディネートが主流に
クリスマスやお正月などホリデーシーズンが到来。家族が集い、ゲストを招いてパーティーを開く機会も増えるでしょう。テーブルコーディネートで演出すれば、料理もさらにおいしく、会話も弾みます。
クリスマス特別企画「Miele Chef’s Table Noël―スタイルのあるテーブルからはじまる物語―」では、雑誌・広告・ブランドショーウィンドウなどのスタイリングを多数手がけるプロップタイリスト、二本柳志津香さんを講師に迎え、ホリデーシーズン向けのテーブルコーディネートを教えていただきました。
テーブルコーディネートというとかしこまった印象がありますが、「最近はヨーロッパでもカジュアル化が進んでいます」と二本柳さん。
「ハレの日のコーディネートだと、頑張らなきゃと思ってしまいがちですが、そんなことはありません。お持ちのものを生かしながら、コーディネートを楽しんでいただけます。最近はインテリアにこだわっている方も多く、お気に入りのテーブルや椅子を生かすようなスタイリングをするケースが増えました。現代はカジュアル化が進んで以前のようにクロスやテーブルランナーを使うことも少なくなり、より気軽に楽しむようになってきています」(二本柳さん)
シグネチャーアイテムをとり入れる
コーディネートは分量が大きいものから配置していくといいとされています。
「今回の場合はディナープレートの分量が大きいので、まずはプレート、次にお花というような順番でセッティングしていきます。ディナープレートはわざわざハレの日用に揃える必要はなく、普段にも使える25㎝程度のミドルサイズのプレートがあると便利です。日本のマンションでは30㎝の大きなプレートが作りつけの収納に入らなかったり、大きなプレートだとテーブルが狭く感じてしまうこともあるので、25㎝程度がおすすめです」(二本柳さん)
また、自分の“シグネチャーアイテム”があるとコーディネートにストーリーが生まれ、素敵なスタイリングになるそう。
「私の場合はいつもアンティークのものをとり入れるようにしています。今回のシグネチャーアイテムはプレートにのせたアンティークのアイスカップ。キラッと光る光沢感のあるアイテムを使っていただくと、非日常感が演出できます。金属の色はゴールドかシルバーで悩むかもしれませんが、アクセサリーを選ぶのと同じで、お好みのものを選んでいただいて大丈夫。カトラリーがゴールドでしたら、ゴールドで合わせてコーディネートすると、引き締まった感じになりますよ」
シーンに合わせて色数を絞る
カラーコーディネートは、フォーマルなら1色、セミフォーマルなら2色、カジュアルなら3、4色にまとめるとコーディネートがうまくいくそうです。
「今年はバーガンディが流行りで、ミーレのブランドカラーとも合っているので、キーカラーに選びました。ミーレの調理機器をとり入れている方々はお料理好きの方が多いと思いますので、お料理に集中していただくには、お花などその他のものはシンプルな方がおすすめ。今回はクリスマスのコーディネートなので、モミにバーガンディのリボンを結んでポイントにしています。簡単な方法ですが、華やかになりますよ。モミなど1ヶ月ほど保ちますから、早めに準備しておけば、当日はお料理の準備に集中できます。お花は目線を邪魔しないように配置するのが基本で、今回は目線を邪魔しないよう真ん中に抜け感をつくり、枝が脇に流れるように配置しています」(二本柳さん)
会話を盛り上げるトーキンググッズ
お花を仕上げた後は、その間をつなぐようにベロア調のオーナメントを配置。大小のボールのオーナメントは星型だったり、縞模様だったり、かわいらしい雰囲気です。
「これはトーキンググッズといって、話を盛り上げるきっかけとなるアイテムなんです。たとえば”Merry Christmas”と書いたカードも立派なトーキンググッズになりますし、他にはソルト&ペッパーなども。テーマに合ったものを足していけるといいですね」(二本柳さん)
「まずは自宅の食器を見直して、テーマやカラーを考えながら何を足すか、コーディネートを考えていただけるといいか思います。私も最初の頃は、全部揃えてビシッとコーディネートしがちでしたが、そんな必要はなくて、もっと気軽に、今持っているものを生かして楽しんでいただきたいですね」(二本柳さん)
プレースマットでまとまりが生まれる
次は普段のテーブルコーディネートも提案。こちらはプレースマットを使用します。
「テーブルクロスの略式がこのプレースマットですので、プレースマットをとり入れることで、普段の食事もきちんと感が生まれるんです。先ほどのクリスマスコーディネートはあえてフォーマルすぎないようランナーやテーブルクロスを使いませんでしたが、こちらはその逆。プレースマットがあることでまとまり感も生まれます」(二本柳さん)
置く順番を守れば、あとは自由に
「モダンなデザインのキッチンは色は少なめに、2色ぐらいがおすすめですね。今回はキッチンが白、プレースマットがダークグレー、そこに植物の緑色を入れて差し色にしています。グラスは青っぽいグレーを合わせて、グレー系のグラデーションカラーでまとめました。初心者の方は、同系色のグラデーションにするとよくまとまりますよ。置く順番さえ守っていただければ大丈夫。ご自身のお好きなものを自由にコーディネートして、楽しんでください」(二本柳さん)

二本柳 志津香さん
二本柳 志津香さん
株式会社空間スタイリング社 代表。社団法人テーブルウェアスタイリスト連合会(略称TWSA)代表理事。CM・広告・誌面などのプロップスタイリストでインテリアスタイリスト、ホテル・店舗・イベント会場の空間デザインや装飾を多く手がけるデコレーターとして年間90案件以上を手がける。著書に『今の時代のうつわ選び』(主婦の友社)、『好きなものと上手につき合うインテリア』(主婦と生活社)。
写真/尾嶝太
プロフィール写真/寺内暁
構成・文/植本絵美

















