長い歴史を有する
有田焼 x Miele コラボレーションが実現
日本には独特のうつわ文化や食生活が存在します。日本初の磁器であり、長い歴史の中でドイツのマイセンにも影響を与えている有田焼の窯元様のご協力を得て、このブックレットを製作いたしました。
和食器と食器洗い機をめぐる
トークセッションを開催
今回、 日本の代表的なうつわ有田焼の窯元 アリタポーセリンラボ 松本さん、料理研究家であり無類のうつわ好きである冷水 希三子さんをお招きし、「和食器で彩る豊かな食の時間」「和食器と食洗機」をテーマにトークセッションをお届けしました。
トークセッション概要
トークセッション 登壇者
編集者の山田泰巨さんをモデレーターに、ゲストに料理家・冷水希三子さん、アリタポーセリンラボ松本さんをお迎えしトークショーを開催しました。「秋の器と料理の楽しみ方」をテーマにしたテーブルコーディネートのご紹介や有田焼の製造工程や器の扱い方などのお話を伺いました。陶祖 李参平窯さんにもビデオ出演いただきました。
和食器で彩る豊かな食の時間冷水流 秋のテーブルコーディネート
“秋は、温かみのある色合いの食材が多い時期。 温かみのあるうつわとの相性がよい。”
左から冷水さん、山田さん
- 秋は食欲の秋。食材豊富な時期。秋のうつわはどのようなものをつかっていますか?
- 食べることが楽しい季節。畑は端境期。秋の実りは木の実、きのこや果物など。温かみのある色合いの食材が多い時期。温かみのあるうつわとの相性がよいですね。
“磁器や陶器や⽊のボウルなど、⾊々なうつわを合わせてバランス良く。”
- 今回のコーディネートのポイントをお聞かせください。
-
メニューは秋鮭ときのこのフリカッセ。柿とサワークリーム、リコッタチーズをパンに添えている。アリタポーセリンラボのジャパンシリーズから桜色の<ヤエ>を使っています。 ピンクは使いづらい色味と受け止められがちですが、ピンクはどんな食材の色味にもマッチします。フリカッセは汁気があるので、なだらかな深みあるお皿にして、とりわけやすいスタイルにています。 また、取り皿はピンク一色だと重くなるので抜け感をつくるために下皿を重ねています。秋鮭ときのこのフリカッセ、柿とサワークリーム
-
陶器のうつわに載っているのは秋茄子と万願寺の炊いたもの。菊花でアクセントをきかせています。もう一つはあじときのこの南蛮漬け。作家さんの黒い石皿に載せています。日本の家庭料理に合うのは絵付皿ですね。シックな単色絵付の古伊万里を緑のお皿と重ねることで、お料理と古伊万里をともに引立たせることができます。 取り皿の上の絵付皿は古典的な文様を使いつつモダンに仕上げているので、緑色と重ねることで、地味な色味から心躍る食卓に変化させることができます。 磁器や陶器や⽊のボウルなど、⾊々なうつわを合わせた⽅が全体的なバランスが良くなります。お⽫に⼊ったお料理も含めて“テーブルを⼀枚のキャンバス”としてコーディネートを考えるととてもバランス良くなると思いますよ。秋茄子と万願寺の炊き合わせ、あじときのこの南蛮漬け
和食器と食洗機食洗機対応のニーズにも取り組み
アリタポーセリンラボの
世界にかける思いと和食器のトレンド
“食洗機対応ができるうつわを日々研究し、 対応食器を世に送り出しています。”
- アリタポーセリンラボでは、古典的なものからトレンドに即したものまで5000種類ほど展開しています。 冷水さんのコーディネートにも登場したジャパンシリーズは、有田焼の文化を海外まで広めたい思いからニューヨークの展示会にだすためにつくりましたが、食洗機を使うご家庭が増えていることから、食洗機対応ができるうつわを研究しながらつくりました。
- 食洗機対応となると慎重にされていると思いますが、中には向いていない食器はありますか?
- 金属を入れた釉薬を使用した食器は食洗機で洗うのは難しいですね。
左から冷水さん、山田さん、松本さん(モニター)
- 最近の器に求められるトレンドとは何でしょう。 お客様の声、リクエストなどがあれば教えてください。
- 最近は使いやすいのはもちろんですが、SNS映えするため、料理を載せたときの見た目を気にされるお客様が増えています。淡い色がトレンドになっているのではと感じています。これからはグレージュのお皿の発売を控えており、今は淡く繊細な色味が求められています。
有田焼陶祖 李参平窯の
伝統、製法を次世代へ
陶祖 李参平窯 ⼗四代李参平さんにビデオ出演をしていただきました。
有田焼 陶祖 李参平窯 十四代李参平
和食器をMiele食器洗い機で
洗ってみました
和食器は食器洗い機で洗えるのか?という質問をよくいただいていたこともあり、今回、窯元様のご協力を得て実際に洗浄テストを行いました。ほとんどで絵柄や表情に大きな変化が見られませんでした。
-
ミーレ・ジャパン株式会社 マーケティング部 プロダクトチーム プロダクトマネージャー 佐村由紀子
-
⼀般的な〈やきもの〉は⼤きく陶器、磁器、炻器(せっき)に分類され、⾷器洗い機で洗えるものは磁器が多いのですが、最近は陶器や炻器でも洗えるものも増えています。また、上絵付けに使⽤される和絵の具は、⾷器洗い機の洗剤に浸⾷されやすいものもあるため、⼿洗いにおいても丁寧な扱いが求められるなど、和⾷器の特性により、⾷器洗い機で洗える、洗えないは異なるため、和⾷器の知識を深めることや、陶芸家や販売者に相談することも⼤切です。
10月8日追記
イベントダイジェスト動画(YouTube配信中)
当日のトークセッションのダイジェストを動画でご覧いただけます。
ゲストプロフィール
陶祖 李参平窯 ⼗四代李参平
有⽥焼の原料となる泉⼭陶⽯を発⾒したとされている⾦ヶ江三兵衛(李参平)直系の⼦孫。四代⽬で窯焼を廃業し、⾦ヶ江家⽂書を代々受け継ぐ。「初期伊万⾥様式の確⽴」を⽬指し、現在泉⼭陶⽯100%の有⽥焼を作陶。
アリタポーセリンラボ株式会社 代表取締役社⻑ 弥左ヱ⾨窯 七代⽬当主 松本 哲
九州⼤学経済学部卒業後、某都市銀⾏に⼊⾏。3年間勤めるが実家に呼び戻され20 億円の借⾦を整理するため⺠事再⽣を⾏い家業を継ぐことになる。現代のライフスタイルに合ったモダンな有⽥焼「アリタポーセリンラボ」の開発を⼿がける。⽇本の四季をテーマにした、新しいスタイルの有⽥焼「JAPAN」シリーズは、NY、パリ、東京で⾼い評価を得ている。
料理家 冷⽔ 希三⼦
レストランやカフェ勤務を経て、フードコーディネーターとして独⽴。 季節の味を⼤切にした〝また⾷べたくなる料理〟が評判。『おいしい七変化 ⼩⻨粉』(京阪神エルマガジン社)、『ONE PLATE OF SEASONSー四季の⽫』(アノニマスタジオ)、『ちょっと贅沢なおもてなしレシピ』(家の光協会)などの著書を出版。
編集者 山田泰巨
編集者。1980 年北海道⽣まれ。 「商店建築」「Pen」編集部を経て2017 年よりフリーランス。 「Casa BRUTUS」「Pen」「ELLE DECOR」 などへの寄稿をはじめ、書籍やカタログの編集、展覧会の企画に携わる。
<参考>家事に関する意識調査 ※2020年8月実施 Miele調べ
新型コロナウイルス流行によるおうち時間の増加を受け、現在の家事状況に関する意識調査を独自に行いました。 料理に関する負担増を答えた方が多く、「食器洗い」が大変になったと答えた人は全体の3割以上で、料理・買い出しに次いで3番目に多い結果になりました。また、食器洗いの時間が短縮できれば、「家族や自分のための時間」、「家族団らんの時間」に充てたいと考える方が多く、自分や家族と過ごす時間を大切に考えている方がとても多いことが分かります。
-
新型コロナでの自粛期間により、おうち時間が増加したことで大変になった家事はありますか?
-
食器洗いの時間を短縮できるとしたら、空いた時間をどう使いたいですか?
家事に関する意識調査 2020年8月実施 Miele調べ 対象者:全国主要都市圏、普段からよく料理をする30代~50代既婚女性 500名