カッシーナのダイニングテーブルとキッチンを空間の中心に
中野区にある2階建て、仕事場兼住居のテラスハウスを改装するにあたって、窪川さんは「2階は倉庫にして、1階は人を招けるような空間にと考えていました。(飯嶌さんが)料理が好きなことは知っていたので、キッチンを充実した空間を作ってみようと思ったんです」と説明します。
キッチンにはダイニングテーブルが欠かせません。そこで「どうしても置きたい!」と窪川さんがセレクトしたのが、ル・コルビジエの事務所でインテリアデザインを担当していたシャルロット・ペリアンがデザインした「511 VENTAGLIO」。イタリアの高級家具メーカー「カッシーナ」の製品です。
キッチンカウンターの角度が空間のアクセントに
このテーブルに合わせて空間を考えた結果、入り口に面したカウンター部分に角をつけたり、カウンターを高めにしてテーブルからキッチンを見た時にすっきり見えるように設計したそうです。
「ダイニングテーブルが25度曲がっていますが、それに合わせてキッチンカウンターに角度をつけると曲がりすぎだったので19度で調整しました」と窪川さん。
角度をつけたキッチンカウンターは目隠しの役割も担います。例えば料理をしている時に、誰かが後から部屋に入ってきても、キッチンの様子が見えないため、いわば舞台裏を隠したまま料理を進められるというわけです。
「家はストレートな直線や直角に囲まれてしまうので、変化をつけるのに角度をつけたものを空間に入れています。カッシーナのテーブルと、キッチンカウンターの角度が部屋のアクセントになるよう計算しています」と窪川さんは説明します。
理想のオーブンに出会えた喜び
今回窪川&飯嶌邸に採用したミーレの家電はIH クッキングヒーター(KM 6379 LPT)、オーブン(H 7860 BP)、そして食器洗い機(G 7314C SCi)。ミーレ製品にした決め手はどこだったのでしょうか。
「学生時代に、イギリスにいたんです。イギリスの学生寮にはちゃんとしたビルトインオーブンが入っているんですよ。当時、日本ではほとんどみかけることがなかったと思います。アメリカ人の友達の家に呼ばれていくと、映画のような楽しい料理がオーブンから出てくるんです。私の中では大きな塊肉を焼けるビルトインオーブンというのが憧れ。素敵な生活の象徴、食生活の象徴が大型のビルトインオーブンなんです」と飯嶌さん。
飯嶌さんは仕事柄、生鮮食品の生産者の方とのつながりがあり、新鮮な食材を全国各地から取り寄せることも多いのだそう。その取り寄せた食材は、友達と一緒に食べることが多く、ひとり暮らしの時からよく人を招いていたといいます。
「いろいろなオーブンを実際に試したんですが、大きさや焼き加減など納得いくものになかなか出会えませんでした。結局業務用のオーブンを使っていたんですが、ぜんぜんおしゃれじゃなくて笑。ミーレのオーブンを知った時に理想に出会えたと思ってうれしかったんですよ。小躍りするってこういうことなんだなと、楽しくなりました笑」(飯嶌さん)。
高級な物件にはいつもミーレが使われていた
一方、窪川さんは学生時代から憧れのブランドの1つだったといいます。
「僕は学生時代から建物をみるのが好きなんですが、ある時高級な物件にはミーレの製品が入ってることが多いと気がついたんですよ。当時はビルトインという言葉もよく知りませんでしたが、空間に収まっていることが心地良いと思いました。元々、ドイツ製品は好きなブランドが多いですが、インテリアの仕事を始める時に、ミーレは憧れのブランドの1つでしたね」(窪川さん)。
今回、カッシーナのダイニングテーブルを置いて、キッチンを中心にした空間をつくるとなった時に、「ミーレが合う」と思ったそうです。
キッチンは、2人の感性が共存できる空間に
取材の日、飯嶌さんが作ってくれたのがタコ飯、鯛を丸ごと使ったアクアパッツァ、ソテーした牡蠣を入れたカブのスープ。ほかにホゲというブータンのサラダです。
庫内の広いオーブンでアクアパッツァとタコ飯を同時に調理し、IHクッキングヒーターでスープを仕上げます。
先に調理時間の長いタコ飯をオーブンにいれて調理開始。時間差で、後からアクアパッツァをオーブンに投入します。
「ミーレ製品が全てキレイに入るよう、キッチンはゆとりを持って設計したので、2人がキッチンに立っても余裕で作業できるスペースになりました」と窪川さん。この日も飯嶌さんが料理をしている横で、グラスやカトラリーを準備していました。
オーブンをカメラが撮影。アプリで焼き具合をチェック
一方、飯嶌さんは手際よく料理を仕上げていきます。
「オーブンが大きいから2品同時に作れて助かります。画期的。あと、オーブン内にカメラがあるので中の様子をアプリで確認できるのはいいですね。定期的に庫内カメラから静止画が送られるそうです。魚は繊細なので、庫内の状態をいつでもチェックできるって素晴らしいですね」(飯嶌さん)。
「IHクッキングヒーターは火力が思っている以上に強くて頼もしいですね。しかも使い終わった後のお手入れが簡単でうれしいです」と、飯嶌さんからは高評価。
器にもこだわりたいから食器洗い機はうれしい
窪川さんも飯嶌さんも、器やグラス選びにもこだわっています。料理とのバランスはもちろん、来客用の取り皿なども複数揃えており、テーブルセッティングも楽しみの1つ。
食事に合わせた器が華やかな食卓ですが、特にホームパーティー後の食器洗いはひと仕事だったそう。
「料理をしてみんなで楽しく食べておしゃべりするまではいいんですよ。でも、最後洗い物が1~2時間かかっていたんですよね。ミーレの食器洗い機は、大容量で、食器や料理器具なども入るし、大きさにあわせて分別できるところがイイですね。やっぱり食器洗い機は大容量じゃないとね!」(飯嶌さん)。
普段の食事はもちろん、ホームパーティーをしたり、好きな作家物の器を楽しみたい飯嶌さんたちのような人には、後片付けが格段に楽になる食器洗い機がアシスタント代わりのようです。
二人の感性を唯一共有できるのがキッチン
ミーレを入れたキッチン空間、ミーレのある生活について、飯嶌さんは「料理の意欲が上がりますね」と楽しそうに話します。
「今度パンづくりに挑戦しようと思っているんですが、ミーレのオーブンがあるともっといろいろ作ってみたくなります。家電を使っていて、料理の意欲がわくことってなかなかないですが、ちゃんと食べて、ちゃんと生活して。ちゃんとキレイにしていこう!と思いますね」(飯嶌さん)。
「日常を格上げしてくれるって感じだね」(窪川さん)。
「キッチン空間って、唯一私たち二人が感性を共有できる空間。生活スタイルも食の好みも違っていましたが、キッチン空間で心地良く過ごすことが2人で共感できるポイントなんだと思うんですよね。ね?」(飯嶌さん)。
「笑」(窪川さん)。
Text:伊森ちづる
Photo:下城英悟
インテリアスタイリスト窪川勝哉 さん
インテリア、家電、ステーショナリー、車など、プロダクト全般に造詣が深い。インテリアや家電の雑誌、カタログ、CM、商業施設のウインドウディスプレイ、モデルルームなどのスタイリングを手がける。1年半の英国滞在後、2013年より再び拠点を東京に移し活躍中。
トラベルジャーナリスト・編集者飯嶌寿子 さん
クレジットカードのプレミアム会報誌に長く携わり、旅やカルチャー分野での豊富な取材経験を誇る編集者。日本各地はもちろん、アフリカや南米など、取材フィールドは世界中。現在は広告・メディアの仕事のほか、イベントなどのプロデュース業も手がける。
窪川&飯嶌夫妻ご愛用のミーレ製品
ミーレ ビルトインオーブン
H 7860 BP グラファイトグレー
鍋やフライパンもそのまま入る76Lの大容量。
最上位モデルのH7860 BPは、革新的な新機能を多数搭載。MotionReact(近接センサー)搭載でオーブンに近づくと反応したり、大型のタッチディスプレイで直感的に操作でき、誰でもスムーズに使いこなすことができます。
さらに、オーブン庫内の天井に内蔵された庫内カメラが、定期的に調理中の料理を撮影。それを専用アプリを介して手元のスマートフォンやタブレットで見ることができるので、離れた場所からも料理の様子をこまめに確認できます。また、必要に応じてオーブンの設定を遠隔操作することも可能です。余熱焼けを防ぐ、TasteControlも搭載。熱洗浄機能でお手入れもオーブンにおまかせできます。
ミーレ IHクッキングヒーター
KM 7684 FL*
カウンター面との段差がない「フラッシュ設置」が可能なパノラマデザイン。
2つの調理ゾーンを組み合わせて大きな鍋やキャセロール、ミーレのIH対応ベーキングディッシュなどのアクセサリーが使用可能な「PowerFlex」対応。
直感的に操作ができる「SmartSelect」搭載。
*窪川&飯嶌夫妻ご使用のモデルは製造終了につき、上記は後継機種となります。
ミーレ ビルトイン食器洗い機
G 7314 C SCi クリーンスチール
アプリ連携、洗剤自動投入システム搭載の上位モデル。タッチ操作OK。ブリリアントグラスケア対応。
より高機能な機種をお求めの方に。