食器は生活の質をあげてくれるもの
日本ならではのスタイルがある
旬の食材を使い、素材の滋味を引き出したシンプルで奥深い味。そして、所作や道具の一つひとつに宿る美意識。世代や性別を超え、多くのファンをもつ料理家が有元葉子さんです。
ベストセラーとなった近著『レシピを見ないで作れるようになりましょう。』では、自身の感性で食の時間を大切にして欲しいと語りかけて共感を集めました。
そんな有元さんが、娘で建築家の八木このみさんのアトリエ兼自宅を訪ねるところをご一緒することに。
この日、有元さんは日本の陶磁器で昼食をふるまいました。
たとえば西洋で食器に口をつけることはありませんが、日本では口にあたることを前提とするものも。
そこには、食の感覚を大切にしてきた日本の歴史を見出せます。使い捨てのプラスティック容器で食事をしてはわからない質が、そこにあるのです」
有元さんが初めてミーレの食器洗い機を取り入れたのは、長野県野尻湖に建てた住まいでのこと。
当時を振り返り、「それまでと洗いあがりが大きく変わりました。思ったように洗えるし、とても静かで誰が使ってもわかりやすい」と言います。その後有元さんは、自らのスタジオにも導入を決めました。
大容量の食器洗い機ながら、いまは1日に3、4度と回すことも。調理が進むとまずは下ごしらえの道具を洗います。
「ノーマルでおよそ一時間、扉を開けるとパリッと乾いています。教室で使った洋食器やグラスも終了後、すぐ食器洗い機に。和食器は少し気を使うかしら。
食洗機があれば、グラスも洗う手間を考えずに気楽に使えます。ミーレのオーブンは機能に頼りきらず、自分で焼く楽しみを支えてくれる道具です。けれど食器洗い機はすべてをお任せできる道具なんですね」
いろいろな質感の器を一つのテーブルで
和食器ならではの楽しみ
この日、食卓に並んださまざまな和食器も、多くを食器洗い機で洗います。和食器の楽しみを、「いろいろな質感の器を一つのテーブルで使う楽しさ」と有元さんは続けます。
和食器の知識を広げれば
食器洗い機で洗えるものが
わかるようになる
「たとえば磁器は軽やかで魅力的だけれど、それだけでは冷たい印象になってしまいます。陶器と磁器をメニューと合わせながら組み合わせていくのがいいでしょう。西洋であれば、料理に合わせて一皿を変えていく。けれど日本のスタイルは器の組み合わせを楽しむもの。一般の家庭でこれだけ幅広い食器を揃える国も珍しいんじゃないかしら。
だからこそ使う人が少し知識を持つだけで、もっと食を楽しめます。陶器と磁器の違いは触れているうちに覚え、どれが食器洗い機で洗えるかも感覚的にわかるようになるでしょう。漆器や土の質感が残る土もの(=陶器)はもちろん食器洗い機に難しいですし、時には失敗もあるかもしれません。けれど、煎茶は磁器、番茶は陶器で楽しむ―そうした繊細な感覚を楽しめる器は、私たちの国の文化であり、生活を大切にし、楽しむためのものなのです」