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2025.04.30

美しく頑丈で頼り甲斐ある 食器洗い機との26年

安藤雅信さん、明子さん夫妻は、岐阜県多治見市でそれぞれのものづくりを進めながら、「ギャルリももぐさ」を営んでいます。16年前までは、ギャラリーの奥が家族5人の生活の場。そのキッチンで、Mieleの食器洗い機が大活躍し、雅信さんの器も受け止めてきました。今もギャラリーのイベント時に大勢のゲストをおもてなしする際には欠かせない存在です。

玄関までの、緑豊かなアプローチ
玄関までの、緑豊かなアプローチ
築128年を超える家屋を移築したギャラリー
築128年を超える家屋を移築したギャラリー

1998年に岐阜県多治見市でギャラリー「ギャルリももぐさ」を始めた安藤雅信さん・明子さん夫妻。陶作家の雅信さんと衣生活アトリエを主宰する明子さんが共に、生活工芸と呼ばれる衣食住の美しさを伝える場。築128年を数える古い日本家屋を舞台にしながら、和洋の境を設けず、モダンな感覚でつなぐ二人の世界は、遠方からもファンを引き寄せ続けています。

増築した白い洋空間とのコントラストも美しい
増築した白い洋空間とのコントラストも美しい
日常と非日常を行き来する、雅信さんの作品
日常と非日常を行き来する、雅信さんの作品

「ギャラリーは一般的には美術工芸の世界だけれど、ここではファッションや生活道具もアートの領域だと考え、茶会や料理会を開くことを最初から決めていました」と雅信さんが語るように、襖や障子戸を自在に操って常に空間構成を変化させ、少しずつ増改築もしながら、さまざまな催しを行ってきた「ギャルリももぐさ」。多くのゲストを迎え入れるたび、住まいの一部でもあったギャラリー奥のキッチンがフル稼働します。

栗の木の収納扉が美しいキッチン
栗の木の収納扉が美しいキッチン
ガスコンロの壁には雅信さん自作の素焼きタイル
ガスコンロの壁には雅信さん自作の素焼きタイル

キッチンは、料理が好きな家具作家で建築士でもあった友人に頼み、特別にあつらえた空間。つくりつけの収納扉を、「李朝のイメージで」と木製の漆仕上げで統一しました。特に収納扉は、栗材の表面にうっすらと手削りの跡が残る美しさです。ガスコンロは業務用のどっしりした存在感。防火壁には油分も吸ってくれる雅信さんご自身による素焼きタイルを貼り、今では炎を受けた跡も感じられ、いい表情を出しています。シンプルでありながら素材の良さがにじみ、二人がキッチンを大事にしていることが伝わります。

アイランドの調理台の下に食器洗い機を収納
アイランドの調理台の下に食器洗い機を収納

広めの設計でアイランド型の作業台を台所の真ん中に据え、そこにMieleの食器洗い機を収めました。ドアの面材は、収納棚の扉と合わせたこだわりの木製です。
「Mieleの食器洗い機はデザインが美しく、頑丈で頼り甲斐がある、そんなイメージは今も変わりません」と明子さん。

「Mieleは昔から憧れがあって、掃除機も使っていました。丈夫で長持ち。細かい機能は使いこなせなかったり、私には不必要だったりするので、機能がシンプルで、デザインは変わらず、そして古びないものがいい」と明子さん。
雅信さんも「私たちは夫婦ともに、質実剛健で、機能は少ないけれど壊れなくて、いつまでもメンテナンスしながら使えるものが好き。出会った頃、彼女はビートル(ワーゲン)に乗っていたんです。”国民車”という意味のワーゲンはベーシックカーでデザインが変わらない。メルセデスなど、ドイツブランドのそういう思想や哲学が好きですね」と話します。

美意識を共有し、ベーシックを愛する雅信さん・明子さん夫妻
美意識を共有し、ベーシックを愛する雅信さん・明子さん夫妻

デザインは装飾を削ぎ落としてなお芯があり、信頼性のある機能美。暮らしの中で使う道具や機械には、そういうスタイルのものが多いようです。
「ずっと古びないベーシックなもの。私たち自身、そういう作品や生活道具をつくりたいと常に思っています」

雅信さんは、使ううち釉薬にうっすら入る「貫入」や「しみ」を味として楽しむ
雅信さんは、使ううち釉薬にうっすら入る「貫入」や「しみ」を味として楽しむ
大勢のゲストを受け止め、雅信さんの器を任されてきた頼もしい食器洗い機
大勢のゲストを受け止め、雅信さんの器を任されてきた頼もしい食器洗い機

明子さんは、長年使ううち、食洗機内のどこにどの器をどのように収めたら良いかというのが感覚でわかっているから、そこにきっちり揃えて入れるのが気持ちよくて楽しいそう。安藤家の食器洗い機は、雅信さんの手がける手仕事の器も、これまで難なく受け止めてきました。
雅信さんによれば、熱い料理を盛り付けたり、高温の洗浄と乾燥の繰り返しをしたりすると、器が膨張収縮を繰り返すので、徐々に器の表面の釉薬に「貫入」というヒビのような表情を生みます。この貫入は、「味わい」。本体の素地にはヒビが入らず、表面の釉薬だけの変化です。むしろ時を経て生まれるこの表情は、工芸の世界では、深みとして受け入れられています。

「工業製品の釉薬はある意味優秀で、出来映えが均一でほとんど貫入も入らない。けれど僕らは、焼成による表情の違いや貫入が入っていくことを”器が育つ”として楽しんでいます。だから釉薬も自分でつくり、幾度もテストピースをつくって、目指す表情をつくれる自分だけの土と釉薬を見つけています」
食器洗い機を使ううち、また日常使いの中で、貫入が入り、表情を深めていく器。そう考えれば、食器洗い機との付き合い方もまた少し変わりそうです。

工業製品ではないけれど、寸法はヨーロッパとも合う雅信さんの寸設計。きっちり収まると気持ちいい
工業製品ではないけれど、寸法はヨーロッパとも合う雅信さんの寸設計。きっちり収まると気持ちいい

「でも、それも使い手の好みにもよりますよね。だから、希望としては、手仕事洗浄モード、というのがあるといいですね。温度低めで洗うモード」と雅信さん。ビンゴ! 実はMieleの食器洗い機にはもともとグラスなどのデリケートなもの向けに水圧や本洗いの温度を低めに設定した「ジェントル」という洗浄プログラムがあります。昔は一部機種のみの搭載でしたが、今は全機種に搭載しています。デザインと機能の芯は大きくは変わらずとも、アジア圏のユーザー向けにバスケットに深鉢を入れやすいビン形状を採用したり、洗い上がりにドアが自動で開き、内側の蒸気を逃してカラッと仕上げる乾燥機能などの進化があることに、明子さんも「そんなことが!」と驚き笑顔になりました。

雅信さんが手ずから作庭。茶室への飛び石も吟味して
雅信さんが手ずから作庭。茶室への飛び石も吟味して
庭には雅信さんの作品が置かれ、時を重ね風景に溶け込んでいる
庭には雅信さんの作品が置かれ、時を重ね風景に溶け込んでいる
松の木を使い、風雅に趣向を凝らした茶室を備えた数寄屋風建築
松の木を使い、風雅に趣向を凝らした茶室を備えた数寄屋風建築
展示するたびに景色を変える。布、配置、間の使い方。常に新鮮に
展示するたびに景色を変える。布、配置、間の使い方。常に新鮮に
明子さん考案のサロン(筒状でサイズレスのスカート)。さまざまなテキスタイルで展開する
明子さん考案のサロン(筒状でサイズレスのスカート)。さまざまなテキスタイルで展開する

二人の営む「ギャルリももぐさ」は、山の谷間にあった土地を雅信さん自らが木を伐採したあと、業者さんにより土を運び込んでもらい切土を押さえるための石積みを巡らせ、盛り土を一年間寝かせ…と時間と手をかけてランドスケープを整えたのち、名古屋市鳴海から茶室のある古民家を移築して始まった場です。茶室や要所要所に松の木が用いられ、ハレの間である奥の座敷の回り廊下に幅広の欅の材がずらりと並ぶ風流な建築。全てを一気に完成させるのではなく、まずは建物、そして庭、そして居室、というように、段階を経て少しずつ。最初は家族4人のテーブルも椅子も、テレビもありませんでした。順を追って、5周年にはギャラリーにカフェを併設し、やがて家族も5人となっていた生活の場は14年ののちに別棟へ。20周年を目前に、白部屋と呼んでいるサンルームのような展示スペースを増築、25周年に2階展示室の内装を改築…と緩やかに変化しながら、その時々の新鮮なギャラリー風景を提供してきました。一気に新しくするのではなく、変化を積み重ねて、少しずつ新鮮なカケラを集め、質を高めていく。未完成の美学。安藤さん夫妻のこれまでに、Mieleの「Immer Besser(常に、より良いものを)」とも重なりを感じました。

玄関にて。お二人が26年かけて育ててきたギャラリーのかたち。春からはカフェのかたちも変わった
玄関にて。お二人が26年かけて育ててきたギャラリーのかたち。春からはカフェのかたちも変わった
明子さん考案のサロン(筒状でサイズレスのスカート)。さまざまなテキスタイルで展開する
掃除機が最初に購入したMiele製品。デザインとシンプルな機能が好み
明子さん写真

PROFILE
安藤雅信さん
陶作家・ギャルリももぐさ主宰。1957年岐阜県多治見市生まれ。武蔵野美術大学彫刻学科卒。和洋問わず使用できる3000種類以上の日常食器と茶道具、結界シリーズなどの彫刻作品を制作。国内外で作品展、そして新しい茶の湯としての茶事や交種茶会を行う。
Instagram @masanobu.ando

安藤明子さん
衣生活アトリエ主宰。1965年兵庫県西宮市生まれ。「古今東西の布を用いて、年齢性別体型問わず、長く着られる定型の衣服」をコンセプトにした「百草サロン」ほか、衣服や布製品を展開。テキスタイルデザイナーとのコラボレーションにより様々に楽しめる世界観、自在な重ね着とスタイリングを提案。
Instagram @akikoando_

ギャルリももぐさ
momogusa.jp

文・構成:森祐子
写真:馬場晶子

ご相談・ご購入

新築・リフォームの場合

新築・リフォームでミーレ食器洗い機の設置をご検討の場合は、担当の設計士、工務店様に下記の点を伝えてご相談ください。

  • 検討中の食器洗い機の機種

入れ替えの場合

現在使用中の食洗機をミーレ食器洗い機に入替をご検討中の場合は、下記の点をミーレ直営店、販売店にご相談ください。

  • 検討中の食器洗い機の機種
  • 現在使用中の機器の機種

後付けする場合

お使いのキッチンにビルトイン食器洗い機の後付け設置をご検討の場合は、以下のスペースがあれば設置可能です。
下記の点をミーレ直営店、販売店にご相談ください。

  • 幅45cm または 60cm
  • 高さ 81〜87.5cm
  • 奥行 58cm
  • 検討中の食器洗い機の機種
  • 現在使用中の機器の機種

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