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2025.09.02

究極のスペパ*を実現した
建築家夫妻が住む約19㎡のコンパクトハウス

究極のスペパ*を実現した建築家夫妻が住む約19㎡のコンパクトハウス

長屋の名残りを残す都心の住宅街。細い私道沿いに、保坂猛建築都市設計事務所を主宰する建築家・保坂猛さんと妻の恵さんの自邸「LOVE2 HOUSE」はあります。夫妻は2005年に横浜市に建てた「LOVE HOUSE」に10年住み、2019年に「LOVE2 HOUSE」を新たに建てました。床面積は、なんと約19㎡。しかし、そこには驚くほど伸びやかな空間が広がり、暮らしを豊かにするアイデアで溢れていました。究極のスペパを実現した夫妻に「LOVE2 HOUSE」の暮らしについて伺いました。
(上記画像)間口約3m×奥行き約7mの都心の狭小地に建つ「LOVE2 HOUSE」。

*「スペースパフォーマンス(スペパ)」とは日本語に訳すと「空間対効果」。限られた空間をいかに効率的に活用できるか、また空間の効率使用における価値や満足度を表すと言われています。

オーナー/建物情報

使用製品 ビルトイン食器洗い機(45cm)、洗濯乾燥機
建物 戸建て/注文住宅
築年数 6年
居住者 夫婦
設計事務所/工務店 保坂猛建築都市設計事務所/TH1

保坂 猛(左)
1975年山梨県生まれ。横浜国立大学工学部建設学科建築コース卒業。2001年横浜国立大学大学院修士課程修了。大学院在学中に建築設計SPEED STUDIOを共同設立・主宰し、設計活動を始める。2004年に保坂猛建築都市設計事務所設立、代表を務める。

保坂 恵(右)
保坂猛建築都市設計事務所代表取締役、コミュニケーションマネージャー。

私道にある緑道の一部を家庭菜園にして、ゲッケイジュやブドウ、イチジク、バナナ、スイカなどを植えている。ガラス戸の前に植えたハーブは虫除けにもなっている。

天井高7mのダイナミックな空間

以前住んでいた約38㎡の「LOVE HOUSE」から床面積が半分に減ったものの、「不便と思ったことがまったくないんです」と笑顔で答える恵さん。
実は当初、2階建てを検討していたそうです。「しかし、妻が『6坪(約19㎡)は二人暮らしには広い』と。江戸時代の庶民の長屋は9尺2間(9.6㎡)に4人家族が住んでいたことを本で読んだらしいのです」と猛さん。

そこで平屋建てに変更。隣のマンション から室内が見えないよう屋根を曲面にし、三日月型の2つのトップライトを高さ違いに設置して、トップライトからは空だけが見えるよう設計しました。日が差し込むと、約7mの吹き抜けに細長い三日月型の光が二筋現れ、日時計のように刻一刻と変化していきます。

その空間の中央にあるのがキッチン。床がダイニングより170㎜高く、トップライトから光が降り注ぎ、まるでステージのようです。
「この家では古代ローマ人が大事にしたいという食事・入浴・音楽・演劇・読書を充実させたいと思いました。実は、この家の中には300枚ものレコードがあるんですよ。小さい家だとキッチンをおろそかにしがちですが、妻が料理好きなので、コンパクトでも使いやすいキッチンにしたいと思いました。料理は毎日のことなので、キッチンに立つのが嫌にならないようにプランすることが大切だと思います。食器もたくさんあるので食器洗い機は必須でしたね」(猛さん)

ダイニング、キッチン、奥のベッドルームまで続くワンルームの空間。袖壁が空間を緩やかに仕切っている。
ベッドに寝転がると、頭上にトップライトが。星を眺めながら眠りにつくことも。

水を75℃まで温めて洗うから衛生的に安心

「LOVE2 HOUSE」はコンパクトでありながら、冷蔵庫もベッドのサイズも以前の住まいより大きくなったというから驚きます。
恵さんは、栄養士の資格をもち、大学卒業後は企業の研究所で働いていました。大学では衛生学が専門で、卒業論文のテーマが食中毒菌。そんな背景もあって衛生面にはこだわりがあり、「食器洗い機はミーレの一択でした」と言います。
「私はその都度洗いたいタイプなので、幅45㎝のサイズがちょうどいいんです。食器だけでなくザルからお鍋まで、土鍋以外はほとんど食器洗い機で洗います。ミーレの食器洗い機は機器自体が、水から75℃のお湯をつくりながら洗うプログラムがあるので、油汚れも浮いてキレイに落ちます。また、ミーレは長く医療用洗浄器などプロ仕様の機器も手がけていますから、とても信頼しています」(恵さん)

左/キッチンの床を上げることで、奥のプライベート空間も隠すことができる。壁にはアートやレコードなどが飾られている。右/手際よく食器洗い機に食器などを入れる恵さん。

パーティーの際は食器洗い機が大活躍

恵さんは大の料理好きで、ゲストを招いてホームパーティを開くこともしばしば。10~13品もの料理でもてなすそうで、その時に大活躍するのが幅45㎝のミーレの食器洗い機です。
「パーティの時は私たちを含めて5、6人、お昼過ぎから夜遅くまでゆっくり過ごしていく方も多いですね。一緒に食べて飲んで、料理がなくなってきたら次の料理をつくって、と私はキッチンとダイニングをいったり来たりして、10品ほどつくるのですが、それを可能にしてくれるのがミーレの食器洗い機。食器も調理器具も全部使ったらすぐに食器洗い機に入れ、パーティの合間に回しちゃうので、食器や調理器具でキッチンが溢れることがないんです。ゲストが帰るまでに3回ぐらい回していますね。だから、最後の後片付けも残りの食器を入れるだけ。だから苦にならなんです」(恵さん)
普段も1日2回食洗機を回すため、包丁やまな板は2つずつ用意しています。

無農薬のオレンジからつくったという、恵さんお手製のオレンジスカッシュ。
コンクリートにわずかな凹凸をつけ、木の板を載せてオープン棚に。窓辺にはグラスや恵さんのお気に入りの貝殻や石を並べている。「ミーレの食洗機は繊細なガラスも洗えて安心」(恵さん)

飛行機用ミールカートをパントリーに活用

ユニークなのが、飛行機用のミールカートをパントリー代わりに活用していること。
「私はリスみたいに溜め込みたいタイプなのですが、パントリーをつくる広さはありませんでした。ちょうどコロナの時に飛行機が飛ばず、航空会社が機材などを放出していた時があり、『これだ!』と。ここにパスタや缶詰などをストックしています。3日分ほどの食料をストックしておけば、災害用のリュック代わりにもなってくれます」(恵さん)
飛行機用のミールカートをその時々で移動させて使い、時にはこの上にパソコンを置いて仕事をすることも。機内用なので地震などの揺れにも強い設計となっています。

たくさん入れても、女性一人で軽々と移動させられる。

キッチンとランドリーのコンパクトな動線

キッチンカウンターの後ろには、ミーレの洗濯乾燥機が。コンクリートの壁の間にピッタリと収まっており、その上は食器置き場になっています。食器洗い機で洗い上がった後、すぐ後ろに収納でき、タオル類は洗濯乾燥機に。非常にコンパクトな動線で、無駄なスペースがありません。まさに究極のスペパを実現しています。
「以前は外に干していたのですが、ここは住宅やマンションに囲われているので洗濯乾燥機を活用するようになりました。とても便利で助かっています。最初はAutomatic(自動洗い)プログラムで洗っていましたが、だんだん自分の好みがわかってきて、お水を多くする「ウォータープラス」機能を追加したり、温度をプラスしたり、いろいろ実験しながら楽しんでいます」(恵さん)

「ミーレ製品の魅力は、なんといってもそのシンプルで無駄のないフォルムと装飾を削ぎ落とした美しさだと思います。以前LOVE2 HOUSEがウェブの記事に掲載された時、『洗濯機がないから、実際にはこんな小さな家に人は住んでいないんだろう』というコメントが見受けられました。それほど、こんなにも毎日働いてくれているミーレの洗濯乾燥機機がビルトインのように納まり、存在を消しているということ。LOVE2 HOUSEのちょうど真ん中に対峙して納まっている食器洗い機と洗濯乾燥機、どちらもミーレにして正解でした」(猛さん)

洗濯乾燥機がコンクリートの壁にピッタリと収まっている。

“コンパクト=何かを諦める”ではない

実は、建設中にコンクリートの躯体を打った時点では、キッチンとダイニングの場所は逆だったそうです。
「工事の休憩中に職人さんが、現在のダイニングの場所にパイプ椅子に置いているのを見て、それもいいかもなぁと。そこに座ってみると、ちょうど視線も抜けて、風通しも良かったので、私道側をダイニングにすることにしました。扉はプライバシーを考慮して板戸にする予定だったのですが、妻が『ガラス戸にしたらいいんじゃない?』と言ってくれ、思い切ってガラス戸にしてよかったです」(猛さん)
ダイニングに腰掛けていると、私道を行く人とも自然に挨拶をするようになり、近所の子どもがのぞいてくることも。昔の下町の長屋のような、不思議な距離感を楽しんでいるそうです。

「“コンパクト=何かを諦める”と思いがちですが、本当に何も我慢してないんです。むしろより豊かになっている感じがしますね」と恵さん。毎日が楽しくてしょうがいないという二人は現在、海の近くに別荘の「LOVE3 HOUSE」も構想中。次は、ビルトインオーブンも導入してみたいそうです。

「小さな建築に住まう私たちは、さまざまな好きなものに囲われて住んでいますが、たとえば、それは美しい日本画であったり、カトリックの聖人のシンボリックなタイルだったり、妻が海から拾ってきた石だったり……。そのような美しいけれど雑多なものと決して争うことなく、かといって共存するぞという気負いもなく、納まってくれる(ビルトインできる)ミーレの製品は機能を備えた、まさに“好きなもの”なんです」(猛さん)

狭小住宅はものを減らしたり、ミニマリズムになりがちですが、「LOVE2 HOUSE」はまさにその逆。19㎡の空間の中に、食事・入浴・音楽・演劇・読書といろんなものが“ある”暮らしを楽しんでいます。住まいの豊かさとは、決して広さで図れるものではありません。ここには暮らしを楽しむヒントや喜びで溢れています。

写真:尾嶝太
文/構成:植本絵美

保坂猛さん・恵さん夫妻ご愛用のMiele製品

製品画像 食器洗い機 G 5894 SCVi

食器洗い機 G 5894 SCVi

45cm幅で操作パネルがドアの小口(天面)に搭載され、外からは見えないオールドアタイプ。ドア全体が面材で覆われているので、すっきりとスタイリッシュな外観にすることが可能です。洗浄プログラム終了後、乾燥を促進するために食器洗い機のドアが自動的に開く「AutoOpen」機能、使いやすくデザインされたバスケット、 庫内を明るく照らす「BrilliantLight」、アプリからの操作が可能な「Miele@home」などを搭載しています。

保坂さん夫妻ご使用のモデルは製造終了につき、上記は後継機種となります。

製品画像 WT1洗濯乾燥機 WTR860 WPM

WT1洗濯乾燥機 WTR860 WPM

洗濯・脱水容量8kg/乾燥容量5kg。
衣類の素材に合わせた豊富な洗濯・乾燥プログラムを搭載。タッチパネル式操作「Mタッチ」や洗剤自動投入、アイロン掛けを50%軽減する「プレアイロニング」など高性能な機能を搭載するプレミアムモデル。Mieleアプリ連動で、スマホやタブレットからの操作が可能。

保坂さん夫妻ご使用のモデルは製造終了につき、上記は後継機種となります。

ご相談・ご購入

新築・リフォームの場合

新築・リフォームでミーレ食器洗い機の設置をご検討の場合は、担当の設計士、工務店様に下記の点を伝えてご相談ください。

  • 検討中の食器洗い機の機種

入れ替えの場合

現在使用中の食洗機をミーレ食器洗い機に入替をご検討中の場合は、下記の点をミーレ直営店、販売店にご相談ください。

  • 検討中の食器洗い機の機種
  • 現在使用中の機器の機種

後付けする場合

お使いのキッチンにビルトイン食器洗い機の後付け設置をご検討の場合は、以下のスペースがあれば設置可能です。
下記の点をミーレ直営店、販売店にご相談ください。

  • 幅45cm または 60cm
  • 高さ 81〜87.5cm
  • 奥行 58cm
  • 検討中の食器洗い機の機種
  • 現在使用中の機器の機種

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